箱根の坂〈中〉 (講談社文庫)



箱根の坂〈中〉 (講談社文庫)
箱根の坂〈中〉 (講談社文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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新九郎の駿河時代

北条早雲(伊勢新九郎)を描いた長編小説の中巻。今川義忠の急死により跡継ぎ騒動がおきている駿河へ向かう早雲(伊勢新九郎)。新九郎の妹千萱と今川義忠の子である今川氏親を助け、政敵を弱体化し、国外の脅威と交渉で渡り合い、ようやく氏親を一国の主に押し上げることに成功。氏親と新九郎の関係はこの後も爽やか。興国寺城を得た後は、新しい租税制度と農地開墾を進め、関東を監視し、また結婚もするという展開。
歴史の辻

いよいよ今川家の危機に、縁者の早雲(北条早雲)は乞われて、
甥の竜王丸の後ろ盾となるために、駿府へ下向する。著者は室
町の貴族社会から、国人や地べたの人間の地方の時代への過渡
期を、早雲という最高の素材でもって、表現しているように感
じた。

物語はこの巻において、竜王丸が今川家の当主になり、北条早
雲が関東へのにらみを利かせるところまで描いています。

早雲と心を通じていた太田道潅が忙殺され、上杉管領家の見苦
しい争いに立ち向かう早雲は颯々としていて、非常に小気味よ
く見える。
新九朗から早雲へ

「箱根の坂」上巻は、伊勢新九郎の物語でした。中巻は、伊勢新九郎が早雲として
歴史の表に浮かび上がってゆく過程を書いた物語です(下巻は北条早雲の物語と
なっていいます)。

早雲の妹(千萱)と今川義忠の子である今川氏親が、父 義忠の急死により千萱
ともども窮地に陥った時期から、中巻は始まっています。浪人していた早雲は,
千萱と氏親を支援して氏親を名実ともに駿河の守護とすべく駿河に赴きます。
京の浪人であった早雲も、駿河で興国寺城を得て地頭となり,興国寺を足場に
して長い年月をかけてゆっくり、しかし弛むことなく一途に氏親を盛り立てて
ゆきます。54歳になった早雲は、小笠原備前守の息女である31歳年下の真葛
と結婚し、北条家(この時点では伊勢家)の基盤を公私ともに基礎を固めてもゆきます。

この時期の早雲が執ったいらいらするほど気長で地道な政策と,その仕上げ
としての電光石火の鮮やかな戦い通じて,その時代背景を語り,早雲の人柄
を見事に語っています。
人間としての北條早雲の魅力が味わえます。

 大田道灌との出会いと、その違い。

対面上部下が必要となり、”部下になってくれ”とお願いにいく
北條早雲

今川のお家騒動で主役を演じながら、手柄を他の人に譲る北条早雲

そんな、いろんな面での北條早雲が見る事が出来ます。
人間の魅力・奥深さを感じる巻です。



講談社
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